ドリームチームを作るための採用面接術

採用は、経営もスポーツの世界も同じ

経営していく上で、最も難しいのが人材採用と組織運営ですね。理念を決めて、計画を立てて、お店の数字の管理の方法も学び、集客して売上を上げる。しかしながら、どれだけ経営者が、努力し頑張っても一人でできることは限られています。

そこには、必ずスタッフの力が必要になってきます。そこであなたのお店だけの素晴らしいドリームチームを結成しなければなりません。

スポーツの世界でもそうですが、組織を運営する前に、必ず、採用を行いますね。採用に徹底的に力を入れているのは、その後の組織運営や教育において、採用時点で、その人材が、自店に相応しい人材かどうか見抜くことが、最も大事なことだからです。

採用のミスマッチは、経営者にとっても、スタッフにとっても不幸な事ばかり。ここでは、その不幸が起こらない様にするため、そして、自店のドリームチームを作り出すことにおいて、最も大切な、採用面接術をお伝えしたいと思います。

自店のカラーに合う人材像

その前に、経営者として、人事担当として、知っておいて欲しい最も大事な点があります。それは、面接にあたる前に、自店に必要な人材の理想像を明確にしておくということです。必要な人材像は、そのお店によって様々です。自店のカラーに合う、人材像を明確にする事。それが、面接術では最も大事なフェーズです。この理想像が明確になっていないため、軸がぶれてしまい、その後ミスマッチを起こしてしまう、採用面接となってしまうのです。

ここで具体的な質問ですが、
「あなたにとって、自店を繁盛店に導いてくれる最も頼もしいスタッフとは一体どんな人材なのでしょうか?」

私自身、採用から教育まで関わらせていただく中で成功もあり、失敗もありました。採用時は、とても意識が高いと思われたスタッフが、突然辞めたいと言い出す、全くの未経験の人材がわずか半年で店長のポストまで成長する等など。

その成功と失敗事例の中から、素晴らしいドリームチームのスタッフとは以下のような5つの共通意識を持っている人材だというこが分かってきました。ひとつの基準としてお伝えしておきたいと思います。

  1. 同一の危機感を感じている
  2. 共通の価値観を持っている
  3. 自信と他のスタッフ全員への信頼がある
  4. 感謝の気持ちを持っている
  5. 高い目標を自主的に追いかける

この基準を参考にしつつ、自店独自の人材理想像を明確にしてください。

そしてもうひとつの方法としては、現在働いている、スタッフの中で、目標にして欲しいスタッフがいれば、その人材の素質やスキル、外見や心構えなどを、分析し、時には本人にインタビューしながら、自店に相応しい人材像を明確化するという方法もあります。

準備8割と言いますがまずは、面接前に自店で一緒に働きたい人材像を明確にすることを、行っておいてください。

もうひとつ、率直に言うと、そもそも面接の時点で、優秀なスタッフを見極めることは、非常に難しいのです。そこで採用面接を行う前から、採用広告・チラシを配布する時点で内容を工夫し、面接希望者をしっかりと事前に選別できるように、理想の人材像を踏まえた採用基準を採用広告には必ず掲載してください。

採用難の時代だからこそ、基準を明確に提示することで、他社との差別化、信頼獲得にも繋がります。

人材採用における2つのポイント

さてそれでは、採用面接本番に入りましょう。採用を行う際に、あなたは、その採用希望者のどんなところを見ようとしますか?外見、性格、スキル、トーク、雰囲気などなど、様々な観点から、あなたは、この人物と自分のお店で一緒に働きたいかどうか、判断する事でしょう。しかしながら、大抵のお店では、ここでひとつ問題が発生します。

「あなたこそ、私が待っていた人物です!」
そのような人材が、今までの面接で来たことがありますでしょうか?前提として、心得ておいてほしいのは、最初から有能でスキルを持っている人間が、いきなりあなたのお店に面接に来る確率は非常に少ないのです。

本当に、優秀な人間は、あちらでもこちらでも引っ張りだこです。もしそのような人物が現れたとしたら、それは、宝くじに当たったようなものなのです。それぐらい、突然、あなたのお店に、優秀なスタッフが現れる確率は少ないと言えます。

そこで、店舗の面接官は、少ない確率の中でも、その人物の素質・ポテンシャルを見抜く力が必要なのです。ポテンシャルとは、その人物が成長する可能性です、いわば、「のびしろ」です。その人物の未来の姿が、想像できるかどうかという事ですね。

もうひとつ心構えとして、知っておいてほしいことがあります。私は採用に関しては、妥協することはオススメしません。いくらアルバイトだからといって、いくら面接希望者が少ないからといって、妥協して採用してしまった場合、その後のチーム運営がうまくいった試しはありません。

私の経験上、結局、短期間で辞めてしまったり、店内で問題行動を起こしてしまったりで、雇わなければよかったと後悔する結果になるケースが非常に多い、妥協はミスマッチの最大の原因です。

店舗でドリームチームを作る為の採用で一番大切なことはこの2点、

  1. 素材を見抜くこと。
  2. 妥協しないこと。

この二つに尽きます。それでは、実際の面接の際に、必要な心構え、そしてその人間のポテンシャルを見抜くために、チェックするべき項目を挙げていきたいと思います。

採用面接5つの重要質問

採用希望者を面接する際にまず大事なのは、雰囲気作りです。これは、採用希望者も、面接官も、お互いリラックスした形で、本音での話ができやすくするために大事なことです。まずは、最近の出来事や、日常について親しみやすい話から始めていきましょう。そしてなるべく相手の話を聞く側に回り、7~8割は、相手に話しをさせるような質問をする事を心がけてください。

「~について、あなたはどう思いますか」とか「どのように、なぜ、そう思うのですか」などと尋ね、面接官は聞き役にまわってください。そして、相手の返答だけでなく、言葉使いや、仕草などそういった、メッセージ以外のポイントにもできるだけ、注意してください。全体的には、

  1. 周囲の人に対する思いやりがあるかどうか。(明るくて優しそうか)
  2. テキパキと仕事ができそうか(積極的に仕事に入っていけそうか)
  3. お客様に良い印象を与えそうか(暗い感じはしないか)
  4. 主体的に話をしているか?(他人の責任や、環境の責任にしていないかどうか?)

などの点を頭に入れておいてください。

次に採用面接の際に、最も重要な質問は、以下の5つになります。この5つの質問に対して、どんな返答でも、ちゃんと答えることができる人物は、かなり有望です。実際、働くことになってからの、その人物の性格を、見抜くための質問です。

「理念を確認してもらって、どのようなことを感じましたか」

この質問は、自社の理念や経営者の想いを明確に伝えたうえで、その人物が、共感してもらっているか?どうかを確認する質問です。もちろん面接に来て、お店の理念を悪くは言う人はいないと思いますが、あまり興味を示さない場合、もしくは、良く読んでいない・聞かない人は、要注意です。

「あなたは、この面接の為に、どんな準備をしてきましたか?」

この質問は、その人間の段取り力を判断するために、非常に重要な質問です。お店で働く場合、一番求められるスキルが、この段取り力です。あらかじめお店に下見をしに来た、理念を覚えてきた、時間の10分前に来る為に、地図を念入りに確認してきた、などの、なんらかの準備をその場で答えることのできる人はOK、何も答えることができず、「別に・・・」などと答える人は、働きだしてからも、準備も主張もできない場合が多いのです。

「あなたの両親は、どんなお仕事をされていますか?」

この質問は、その人物が幼い頃からどのような環境で育ってきたかを確認する質問です。経営者がいいとか、サラリーマンがいいとか、とくにどの職業がいいという訳ではありません。経営者の場合は、リーダーになる素質があり、サラリーマンの子供の場合は、名サポーターになる可能性があります。これも一概に言えませんが、あくまで判断基準のひとつにしてください。

「あなたが、当社で働くと、このお店にどんな、いいことがありますか?」

この質問をする目的は、その人間の利用価値を確認するためではありません。その人物が、いかに客観的に、自分を見つめることができ、どのようにすれば相手の役に立てるか?そういう思考をすることができるかどうか?を確認する質問です。
ほとんどの場合、頑張ります!とか真面目にやります!とか、自分の主観で答えてしまうものですが、ちゃんと、客観的に捉え、私が働くことになれば、お客様の笑顔が増えます!同僚スタッフを元気にします!職場を明るくなります!など、答えることのできる人物であれば、有望です。

「将来の夢は何ですか?」

この質問が、最も重要な質問かもしれません。スタッフは、お店の為に、そして自分の為に、この二つのベクトルの方向が重なったときに、モチベーションがあがり、一所懸命働いてくれます。その人物の夢を叶えるために、自分のお店で働くことが、かならずプラスになる。そう、本人も、経営者であるあなた自身も確信する必要があります。夢が万が一無い場合でも、今探している最中という答えであれば、問題ありません。ただし、全く夢とか目標には興味が無いという人物は、ある意味、割り切って働いて貰えるので、一スタッフとしては使いやすい点もあるのですが、あとあと、チームの統率をはかりにくくなる可能性がありますので、やはり採用は見送る方が得策かもしれません。

採用の精度を上げる為の質問

次のどんなお店でも使える、面接時の質問項目と注意点を挙げておきます。

1.「仕事に対する意識」の判定に関する質問

a.以前にやっていた仕事やアルバイトの内容は?
b.特別な任務についていたことがあるか?なにか得意分野があるか?
c.仕事は、よくやったとおもうか?他の人と比べてどうだったか?
d.仕事上で、達成感を感じたときの思い出はどのようなものか?

2.「やる気」の判定に関する質問

a.これまでの仕事や、学生の場合、部活動などで、一番うれしかったことや、好きだったことは何か?
b.部活動に参加せず、アルバイトの経験もない人には、理由を聞く。
c.なぜこの店で働きたいか?

3.「順応性」の判定に関する質問

a.以前の職場で、急に仕事の内容や担当者、スケジュールなどに変化が生じたとき、どう受け止めたか?
b.そのようなとき、自分はどのように対応したのか?

4.「スケジュール」の判定に関する質問

a.一日に何時間働けそうか?
b.週に、何日間、働けるか?
c.早番か、遅番の、どちらが都合がいいか?

5.「身だしなみなど」の判定に関する質問

a.第一印象は良いか?
b.目を見て、よく説明を聞いているか?
c.服装、身だしなみはきちんとしているか?

これらの項目は、事前に面接判定表として、5段階評価ができるように記入シートを準備しておき、後々振り返るために利用してください。

面接時チェックシートのサンプルはこちら(.xls)

この他にも、確認しなければならない点はたくさんあります。

  1. 現在やっているサークル活動や趣味について(学生の場合)特技
  2. これまでどんなアルバイトをしたことがあるか?辞めた理由は?
  3. どのくらいの期間、働きたいとおもっているか?
  4. 通勤上、なにか問題はないか?
  5. 時間には正確か?
  6. 無理な曜日や時間、残業など、急に協力してもらうことも生じるが、そんな場合は?
  7. 主婦の場合、家族の協力、スケジュールなどに問題はないか?
  8. 家族と同居か、1人暮らしか?
  9. この業種に対するイメージは?

これらの質問以外にも、自社で必要な項目を追加し、常にブラッシュアップしていくことが、大切です。

採用難の時代だからこそ採用に工夫を

最後に、もう一度、面接官として挑む際に、気をつけておきたいことを3点お伝えします。

ひとつめは、小さなお店の場合は、経営者自身、もしくは店長が面接を行う事。これは基本的なことですが、とても大事なことです。意外にも、面接をスタッフに任せてしまっている経営者や店長が多いので、ここは必ずご自身で面接することを心がけてください。

面接官もやはり経験が大事です。面接希望者も、相手の人格を見て話をします。経験地を積む為にも、相手の素質を見抜くためにも、面接は、経営者・店長ご自身が担当してください。

2つ目に大事なことは、応募者も顧客の1人であるという認識です。ついつい、採用側と、応募側といった構図になってしまいがちですが、圧迫面接や、いい加減な面接をしてしまったがために、悪い噂が広がり、お店自身の信用を落としてしまうといった事態を何度も見てきました。

あの有名なディズニーランドの人材採用面接では、面接に入る前に、ディズニーショーを、応募者向けに無料で開催するそうです。一顧客としての対応を忘れない、さすがディズニーランド。といった具合になるわけです。応募者に対しても、顧客の1人であるという認識を忘れずに、対応するよう心がけてください。

3点目は、面接官は、経営者・店長自身で行ってくださいというお話をしましたが、採用の決定は、面接官だけで判断する必要はありません。現在働いてくれているスタッフにも、面接時にヒアリングした内容を、伝えることのできる範囲でオープンにし、スタッフ全員で採用、非採用を決めるという方法をお勧めします。一緒に働くスタッフが、この人物と一緒に働きたいと感じるような人物かどうか、現場に確認する事です。

更なる利点は、実際に採用が決まった際、あらかじめスタッフ全員が、新しい採用者を受け入れる体制ができます。何せ、自分達で判断したスタッフを採用するわけですから。そう言った点でも、面接官1人で決めずに、スタッフ全員の意見を取り入れることをお勧めします。

面接に関しては、どの経営者も頭を悩ませている問題です。数十分の間でその人の本質を見抜くには、それなりの経験が必要になってくるでしょう。大事なことは、自店にとっての人材理想像を明確にすること。妥協しないこと。そして、面接時の成功と失敗を、自店ごとに記録しておき、次回の面接時に活かすという心がけです。

採用難の時代だからこそ、あいまいな採用基準、誰でも採用するといった体制にせず、逆に店舗側の採用基準を明確に、そして厳しくして、応募者が逆に安心するような、採用面接を心がけましょう。


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